2015年09月18日

アルバム『clavision』各曲コメント

01. High-Five!
ポッポヨさんから声をかけていただいて、『Inustagram EP』に書き下ろしたピアノソロ楽曲です。
一応ラグタイムというコンセプトで作ったのですが、やたら手数の多いアレンジ、シンコペーションの多用、転調の多さなど、純粋なラグタイムではあまりやらないようなこともやっていて、良く言えば自分らしさが出せたと思います。
ピアノを前面に押し出したアルバムであることや、軽快で聴きやすい曲調から、オープニングに相応しい曲だと思い、1曲目に持ってきました。ワクワクしてくれたら嬉しいです。
02. I'll forget you, you'll never forget me.
BOF2008に出品した曲。初めての大規模イベント参加だったり、このアルバムのジャケットデザイン担当でもある友人に初めてBGAを作ってもらった曲でもあり、なかなか思い出深い作品です。今でも思いがけない人からこの曲が好きと言ってもらえたりすることがあります。
当時2ステップというジャンルは既に流行のピークを過ぎていて、ある種の恥ずかしさがありましたが、今では2ステップは逆にもう流行り廃りという価値観から解放されている感じがあります。そういう意味で、長い年月を経て開き直ってリメイクする楽しさがあった曲です。
03. The Cliff
『わずか1分で楽しめるBMSイベント』に出品した曲。イベントのルール上、曲も制作時間も恐ろしく短かったため作りはかなり雑だったのですが、密かに気に入っていていつかリメイクしたいとずっと思っていました。
一時期の自分は作る曲の大半がフュージョンだったものですが、結果的にそれらの代表としてこの曲を収録するという形になり、個人的にはアルバム中でも存在感が大きい曲です。変拍子だからこそ生まれる緊張感を味わってもらいたいです。
04. ブルーロマンス
唯一の未発表曲。元は5年くらい前に作った曲です。別に気に入らなかったわけではなくて、ふと作ったはいいけどこれをBMSとして発表してもあまり楽しんでもらえなさそうだったので、単に行き場がなかっただけです。
全体的にテンション高めの曲が多くなったので、こういうアンニュイな曲を入れるとキャラが立って良いかなと思って収録しました。
自分自身でもほとんど聴くことはなく忘れかけていた曲なので、リメイクは楽しかったです。
05. More Selfish
一時は「More Selfishの人」と呼ばれることも多かったです。それくらい多くのBMSプレイヤーに遊んでもらえているということだと思うので、ありがたいです。
元々はとにかくゲームとして楽しいBMSを作りたいというコンセプトだったので、ゲームから独立して純粋に音楽として聴いた時にどれくらい楽しんでもらえるんだろうと不安もありましたが、なかなか良い仕上がりになったと思っています。
06. Funny Funky Freaky
G2R2014に出品した曲。More Selfishと同じく、明快で楽しい曲を目指しました。
中盤のピアノソロとベースソロが原曲よりも長く、続けてドラムソロも入れて、終盤ではMore Selfishと同じブラスのフレーズを登場させたりして、より賑やかで盛り沢山な内容になったと思います。
07. 88D
戦[sen-goku]國 〜甲午の乱〜に出品した曲。びっくりするくらい高い評価をもらえて、自分の代表曲と呼べる存在になっています。曲だけでなく、譜面やBGAがカチっとハマった結果だと思っています。
More SelfishからFunny Funky Freaky、そして88Dと畳み掛けることでアルバム中の盛り上がりのピークにしようと考え、これらの3曲はノンストップにしました。
実はタイトルは88D(Poisonous Peach)と表記しようかと少し思っていました。原曲ではPoisonous Peachのフレーズがチラッと登場する程度なのですが、このバージョンでは終盤にごっそり入っているので、Poisonous Peachが好きな人には喜んでもらえるんじゃないかと思います。
08. ほっぺ
The Cliffと同じく、この曲もアルバム構想以前からロングバージョンを作りたいと思っていました。2分尺では流れが急で、もっと長くゆったり聴いてもらいたかったので。
と言いつつ、この曲のプロジェクトファイルがHDD破損により残っていなかったり、構成も音作りも思うようにいかなかったりと、実は今回のアルバム制作で最も苦労した曲だったりします。迷いだらけの状態で完成するも、収録中止しようかと結構本気で考えていました。
アルバムを聴いてくれた人からはこの曲が良かったという声を沢山いただき、苦労の甲斐があったと安心しました。いろいろありましたが内容はむしろ一番気楽に聴ける曲調だと思うので、リラックスして楽しんでください。
09. JUNO
Third Brain Records主催の鑓田さんから声をかけていただき、書き下ろした曲です。アルバム制作を始めた後に作った曲なので当初の構想の中には無かった曲ですが、個人的に大変気に入っているので収録することにしました。
The Cliffがトリッキーなフュージョンなのに対して、こちらはストレートなフュージョン(のはず)。サビの部分はアルバム中随一の率直さだと思っています。
タイトルのJUNOは木星探査機の名前で、自分の中では過去に作ったSPUTNIK、CASSINIの続編という位置付けだったりします。
10. Metropolis
発表した当時はそんなに高い評価をもらえず悔しい思いをしたのですが、後になってからこの曲が好きだという声をいくつもいただいて意外に思った記憶があります。
基本的には原曲のアレンジそのままで、ちょっとサイバー感を増してみました。
なんとなくたそがれ時のイメージがある曲なので、ぼちぼちアルバムも終わりに近づいているこの辺りに入れるのがしっくり来ると自分では思っています。
11. rough
『ノンジャンル2』に出品した曲。High-Five!と同じく、ピアノソロです。最も高い評価をもらえている曲の一つだと思います。
カプースチンというロシアの作曲家の作風をモロに意識しています。ただし終始変拍子だったり、旋律が日本のフュージョン的だったりと自分ならではの要素も入っていて、単なる真似事にはなっていないと自負しています。
元々ソナタ形式で書こうかと思っていたのですが、ゲームとしてのスリリングさなどを考えて原曲では展開部と再現部が一つになったような構成でした。今回アルバムエディションということで、かなりソナタ形式に近い構成になっています。展開部の後半、右手で第1主題、左手で第2主題を同時に奏でて、その次は左右の役割が逆になって〜という部分が気に入っています。
12. AIRSHAVER
『MAXBEAT』に出品した曲。おかげさまで優勝することができた作品で、非常に思い入れが強いです。
イベントのテーマがテンポの速いBMSということでしたが、今回のリメイクで原曲よりさらにテンポを上げました。タイトルは深い意味の無い造語なのですが、なんとなく空気を削るような疾走というイメージです。
アルバム本編のラストということで、ここまでの流れも含めて味わってもらいたいです。
13. Funny Funky Freaky(Ino's Futurity Remix)
ポッポヨのリーダーであるInoさんによるリミックスです。いつもお世話になっています。
原曲の明るく楽しい雰囲気を残しつつ、最近流行りのFuture Bassサウンドに乗せてくれました。
短い尺の中で、原曲に入っている色々な音が色々な所から聞こえてくるので、オリジナルの作者としてはこそばゆくもありましたがとても楽しかったです。
14. Can't You Sleep Well?(Riutaso Remix)
同じくポッポヨのメンバーであるRiutasoさんによるリミックス。自分の曲の中でもマイナーで渋い曲を選んでくれました。
こちらも原曲の雰囲気を残しながらRiutasoさんの独特の世界観が出来ていて、さすが職人だなと感動しました。
タイトル的にも最後の曲として相応しいのではないでしょうか。通して聴いてくださった方々、ありがとうございました。
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